ぼき

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第1節 はじめに

 

Ref 0.1.010 本書の目的

 

 

 

 

この本の目的は簿記を初めて学習する人に、簿記3級の合格だけではなく。本当に役に立つ簿記の知識も一緒に提供することです。

従来の簿記のテキストでは、簿記の試験には合格できますが、本当に役に立つとは言えない内容だからです。

簿記3級が合格できれば良いのでは?と思うかたもいるかもしれませんが、実際は「簿記3級の合格」=「簿記が使えるようになる」というわけではありません。
つまり、従来の学習内容では「簿記3級に合格すれば、少しは実務でも役に立つはず!」という期待にこたえることができず、せっかく簿記を学習したのに、「がっかりした」と残念に思う気持ちになってしまうのです。勉強したけど、知識を活用するイメージが出来ないことですね。
わたしはこれを『期待ギャップ』と読んでいます。

本書は『期待ギャップ』が少しでも小さくなるようにいろいろ工夫を凝らしています。

 

期待ギャップという言葉は『監査論』の専門用語です。最終章でどうしてこの言葉を選択したのかもお話します。

 

Ref 0.1.020 期待ギャップが発生する理由

期待ギャップが発生すると?

『期待ギャップ』が生じてしまうと、“簿記3級は合格したけど、結局、良く分からなかった。あんまり役に立つ気がしない”と感じてしまいます。がっかりしてしまい、簿記に興味をなくしてしまうかもしれません。
せっかく勉強したのにとてももったいないと思いませんか。
そして、その理由が、もっと高度な簿記(簿記2級や1級)を学習する必要があるわけではなかったら、つまり、学習不足ではなかったらどうでしょう。

期待ギャップが発生する本当の原因

実は簿記3級の学習内容で会社のほとんどの活動をカバーしています。ですので、しっかり学習できていれば、その知識は役に立つはずなのです。
では、なぜ『期待ギャップ』が生じてがっかりしてしまうのでしょうか。
それは、そもそも一般的な簿記のテキストが簿記試験用に作られていて、学習者の本当の期待に応えるように作成されていないためです。
学習者の期待については後で解説しますが、役に立たない気がするのは勉強不足が理由ではありません。このため、このまま学習を続けても、『期待ギャップ』が解消されないかもしれません。

英語の勉強に置き換えて考えてみよう

例えば、英語に興味をもったひとがいるとします。
英語を使えるようになって活躍したいと思って、一生懸命頑張って勉強しましたが、結局、英語を使えるイメージが出来ないという実感を持ってしまいました。そのひとにどのようなテキストで学習したかを尋ねると、英文法<グラマー>だと答えました。
英文法だけ勉強しても英語は使えるようにならないよ、という感想を皆さんも持つのではないでしょうか。

簿記も同じような側面があります。簿記3級の試験は言ってみれば英文法の試験です。そして、簿記3級の合格を目的とする一般的なテキストは英文法の教科書というわけです。
このため結局、役に立っているイメージを持ちにくくなってしまうのです。

 

英文法は大切ですが、それだけで英語を使いこなせるようになるのは難しいですよね。

 

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